銀座化粧

【1951年作品】
監督:成瀬巳喜男
主演:田中絹代

銀座のバーで働きながら、一人息子を育てている主人公を中心に、その妹分や元同僚など様々な女の人生を描いた作品。夜中にお店に花やお土産を売りに来る子供たちも登場し、終戦からまだ間もない頃、子供も働かなければ生活できなかった時代だということが映像を通じて伝わってくる。しかし、母親が働きに出ている間、ひとりで食事したり、自分で布団を敷いて寝たりする幼い子供も、そして主人公も前向きに明るく生きており、家族のため、夜の銀座で働かざるを得ない妹分も、まったく純真で屈託なく、何か心を洗われる映画である。